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2016/07/05  おすすめ情報  セールス  T
「ジーノの家」
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「ジーノの家」という本があります。

「イタリアに生きるごく普通の人々」との出会いと、そこから始まるできごとを10編のエッセイにまとめた本です。

 
「ごく普通の人々」との出会いでありながら、そこから始まる出来事にとてもドキドキさせられたり、感動させられたり…
とても不思議な「空気」を持った本です。

皆さんは、イタリア人にどのような印象を持っていますか?
「明るく陽気で、人生を愉しむ人々」というイメージ、ありますよね。
私もあります。
ですがその一方で、この本から伝わってくる「イタリアの空気」は、楽しかったり激しかったりする一方で、とても静かです。

 

静かで、時には悲しく…しかしすべてを受け入れ、愛している。
だからこそ、出会う全ての人の人生が、愛しい。
そんなイタリア人たちの姿が迫ってきます。
「透き通るように美しい、寂しさ」とでも申しましょうか…

 

『名も無い人たちの日常は、どこに紹介されることもない。無数のふつうの生活に、イタリアの真の魅力がある。』という著者の言葉、なぜか納得させられます。

 

10の短編集なのですが、それぞれが本当に魅力的で、イタリアに行きたくてたまらなくなります。

例えばミラノのビジネスマンが、週末を田舎で過ごす。
その週末の、屋外で開かれる壮大なダンスパーティの描写の素敵なこと。
イタリア人の人生の楽しみ方の深みを見せつけられる思いです。
美味しい食べ物。ワイン。そしてダンス…
そこには様々な人々の人生が交錯し、またそれぞれが美しい。

 

著者の家の近所の青果屋さんで、販売許可を取っていないので「こっそり」分けてもらう新鮮なモッツァレラチーズのおいしさ。
『ぷりぷりと弾力ある食感。噛むとじゅうと迸り出るチーズの汁。下手なステーキなど、足元にも及ばない。』のだそう…
下手なステーキなど足元にも及ばないほど美味しいモッツァレラチーズ!一体どんなものなのでしょうか。

 

また、表題作である「ジーノの家」。
イタリア南部の貧しい町で生まれ育った青年の独白に、自分はいかに何も知らなかったのか、という思いになったりします。

南部の貧しい町から抜け出し、痩せた斜面の畑にしがみつくように生きてきた人々。
十年一日の如く。来る日も来る日も。
『オリーブと上り坂と家 家と下り坂とオリーブ』

『誰も助けてくれない。だから誰もあてにしない。』
「苦しみ」すら通り越した「絶望」
しかしその中にこそ輝く、ささやかな、しかし尊い喜び。

アルファロメオが国営企業になった時、南部の産業振興のために「アルファスッド」(スッドは「南」の意)ができたと聞いてはいましたが、それがどれ程大きなことであったかを、初めて感じたりもしました。

 

イタリアとはどのようなところで、イタリア人とはどのような人々で、なぜあんなに「人生にコミットする」車が作れるのかを、考えたことがあります。

「生まれてきたからには、あなた自身の人生を深く味わえ。」とクルマに言われているような気がすること、ありませんか。
私はありました。
今でもそうです。

それは「戦い」であるかもしれないし、「楽しむ」ことであるかもしれない。
何であれ、我々は自分自身の人生から逃げることはできないし、またそれがどういうものとして見えるかは、結局のところ自分次第なのだ。
だから生きるのだ。あなたの人生を。
イタリアの車は、私たちにそう語りかけている。
そしてそれは何よりも、イタリア車を作ったイタリア人たちからのメッセージなのだ。
そんな風に、改めて感じました。

 

イタリア人とイタリア車を、より身近に感じたい方。
よければ是非、ご一読下さい。

 

「ジーノの家」
内田洋子 著

 
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